トップ > 最新情報 > 【報告】 第69回精研シンポジウム・生体医工学ワークショップが開催されました。(2014年12月12日~13日)
第69回精研シンポジウム・生体医工学ワークショップ
精密工学研究所 副所長 益 一哉 (極微デバイス部門・教授) |
精密工学研究所は,東京医科歯科大学・生体材料工学研究所,静岡大学・電子工学研究所,広島大学・ナノデバイス・バイオ融合科学研究所と,ネットワーク型の協力体制の構築を視野に入れて,2014 年12月12 日(金),13 日(土)の両日にわたって表記ワークショップを開催しました。
最近の技術進歩のスピードは非常に速いと感じる中で,大学の附置研究所は何をなすべきか常に考え続けることが必要です。精密工学研究所は1991 年に掲げた「精密と知能を融合した新しい精密工学」の創成をめざして研究,教育活動を行っております。研究所の目指すことのひとつは,その構成員がディシプリンな領域にとらわれることなく,自由闊達に新たな分野や融合分野を切り拓き,産業など何らかの形で社会へその成果を展開することであろうと思います。精研は機械工学,制御工学,電子工学,情報工学,材料工学といった広範な研究分野の教員から構成されていることが特徴ですが,最近の技術進歩はもっと広い分野の研究者との連携も必要とされている部分もあります。今回開催したワークショップは,精研を 含む4研究所が新たな学問分野と応用展開分野を切り拓くことを想定して開催いたしました。
大学の附置研究所はその活動形態として,「拠点型研究所」または「ネットワーク型研究所」として位置づけることが求められていることにも呼応しております。
さて,4研究所の一部の教員はこれまでも学会などを通じて交流がありましたが,一同に介して議論するのは初めてであり,それぞれの研究所紹介ののち,4研究所が共通テーマとして取り上げることが可能な「生体医工学」に関連する研究発表がありました(プログラム参照)。
各研究所所長から研究所の紹介がありました。まとめて聴くとそれぞれ特徴などが良く理解できました。引き続き,生体医工学に関連する研究者の発表がありました。研究所を区別することなくプログラムを組んだのですが,活発な議論がありました。12 日には懇親会も開催され,より突っ込んだ議論や討論がありました。
これまでは研究者個人間の関係や連携であったのですが,組織として協力することの出来る可能性を十分に感じ取ることができたワークショップとなりました。現在平成28 年度発足を目指して,4研究所を中心として「生体医歯工学」を念頭にネットワーク型研究拠点形成へ取り組もうとしております。
学内外,産学間の多くの皆様のご支援,ご協力を賜るようお願いいたします。
Program
12月12日(金) 於: 精密工学研究所
開会挨拶 (東京工業大学 理事・副学長 辰巳 敬)
研究所紹介
1)精密工学研究所 紹介(所長 新野 秀憲)
2)生体材料工学研究所 紹介(所長 宮原 祐二)
3)ナノデバイス・バイオ融合科学研究所 紹介(所長 吉川 公麿)
4)電子工学研究所 紹介(川人 祥二,三村秀典所長代理)
研究発表と討論(1)
1)乳がんの電磁気学的特性とその分布計測技術(ナノバイオ融合研 吉川 公麿)
2)機能性固液界面の創製とバイオセンサへの応用(生体研 宮原 祐二)
3)補助人工心臓と体内電力供給(精研 進士 忠彦)
4)動的ソフトマテリアル表面での細胞機能調節(生体研 由井 伸彦)
5)高時間分解ロックインピクセルイメージセンサとその応用(電子研 川人 祥二)
6)計算論的神経科学を基にしたブレイン・マシン・インタフェース(精研 小池 康晴)
7)生体用計上記憶合金の開発(精研 細田 秀樹)
8)外科手術支援ロボットの開発と評価(生体研 川嶋 健嗣)
12月13日(土) 於: 生体材料工学研究所
研究発表と討論(2)
1)金属材料の生体機能化(生体研 塙 隆夫)
2)手術支援ロボットシステムの開発とその新展開(精研 只野 耕太郎)
3)電子線励起による超解像バイオイメージング(電子研 川田 善正)
4)骨接合型デンタルインプラント(生体研 高久田 和夫)
5)シリコンテクノロジーを用いた集積化光バイオセンサ(ナノバイオ融合研 横山 新)
6)SOI 基板を利用した光検出器の新展開(電子研 猪川 洋)
7)高感度慣性センサ開発と神経性難病診断への応用(精研 益 一哉)