トップ > 最新情報 > マイクロシステム研究センター,小山二三夫教授の研究グループの研究成果が日刊工業新聞に掲載されました。(2007年4月10日)
【内容】 図1 製作したスローライトを用いた光変調器 図2 スローライト光変調器の構造と光伝搬の様子
【スローライトを用いて超小型光変調器を実現】
マイクロシステム研究センターの小山二三夫教授の研究グループと米国コーニング社は,スローライト光を用いた新しい構成で,光変調器の大幅な小型化に成功した。この成果は,米国アナハイム市で開催中(March 25-29, 2007)の光ファイバ通信国際会議(Optical Fiber Communication Conference: OFC 2007)のポストデッドラインセッションで発表した。
光を大幅に低下させたスローライトは,光メモリへの応用など注目を集めているが,今回,高反射率反射鏡で挟まれた光導波路を用いて,光の速度を1/10以下程度まで減速させ,その効果を用いて光変調器の素子長を従来の1/10以下程度まで低減することに成功した。
スローライトの生成は,面発光レーザで使われている高反射鏡反射鏡技術を用いて実現し,課題であった通常の光とスローライトとの入出力結合は,反射鏡の反射率の一部を低下させ,そこに斜めから入射,出射させることで,高効率にスローライトとの結合が可能になった。わずか長さ20?m(従来比約1/10)の小型素子で,電圧1Vの低電圧で,7dBの消光比を実現がされている。また,スローライトが,ほぼ基板と垂直に伝搬するため,偏光依存性もほとんど無いという特性も同時に得られる。
本研究成果は,光変調器だけでなく,光スイッチ,受光器,光増幅器,レーザなど,様々な光素子への展開が可能であり,光回路の超小型化に道を拓く新技術として期待される。