トップ > 最新情報 > 精研談話会を開催しました。(10月12日)
日時:2010年10月12日 (火) 11:00-12:30
場所:すずかけ台キャンパス大学会館2階第二集会室
講師:萩原 幸司 准教授 (大阪大学大学院工学研究科知能・機能創成工学専攻)
講演題目:生体用Ti-Nb-Ta-Zr基合金単結晶の交番変形挙動
講演内容:
bcc構造を有するβ型Ti-Nb-Ta-Zr (TNTZ)合金は,軽量,低ヤング率,優れた加工性を示し,かつ細胞無毒化元素のみから構成されることから,新しい高性能生体インプラント材料として,現在精力的に研究開発が進められています。β-Ti合金が示す大きな特徴として,合金組成に依存した活動変形モードの変化を介し,塑性挙動が著しく変化することが挙げられます。
講演者萩原幸司先生らは,この力学特性を本質的観点から解明する方策として,同学・中野貴由教授,東北大学・新家光雄教授らとの共同研究により,単結晶を利用した挙動解析アプローチに取り組んでいます。本講演では,特に,β相安定を制御した各種Ti-Nb-Ta-Zr合金単結晶の圧縮・引張交番変形挙動について概説して頂きました。{332}双晶,応力誘起マルテンサイトの応力反転に伴う可逆運動,転位運動に誘起される動的ω相形成など,単結晶を用いることで初めて明らかになった種々の知見について明快に説明して頂き,β-Ti合金の塑性変形機構やその制御因子について最新のご研究をご説明頂きました。
総勢15名ほどの参加者で,熱心に質疑応答がなされ,予定時間をかなり超えてしまうなど,大変有意義な談話会となりました。講師の萩原幸司先生,出席者の皆様に感謝いたします。
世話人:細田秀樹(先端材料部門・教授)