トップ > 最新情報 > 精研談話会を開催しました。(11月12日)
日時:2010年11月12日 (金) 13:45-15:20
場所:すずかけ台キャンパスJ2棟16F 物質科学創造専攻会議室
講師:山内 啓 (北海道大学工学研究院付属エネルギー・マテリアル融合領域研究センター)
講演題目:â-サイアロンの高温酸化挙動
講演内容:
発電所やエンジンの主要構造部材として高温構造材料は大変重要です。耐酸化性は高温構造材料の寿命を決める主要因子であり、二酸化炭素削減や省エネルギーの観点から、より高温での使用およびさらなる耐酸化性の向上が求められており、その重要性が増しています。山内先啓生は特に金属材料の高温耐酸化性について長年研究されておられます。本講演では、最初に、高温酸化に関する考え方、耐酸化性の必要性、その機構および測定法等に広く講義をして頂きました。専門家による高温酸化の講義は貴重な機会となりました。また、その後、最新の研究として、β-サイアロンの酸化挙動について報告して下さいました。β-サイアロンは機械的・化学的性質に優れていることから、高温構造用セラミックスとして期待されている材料であり、高温での使用に欠かせない耐酸化性などを調査することは必要不可欠です。しかしながら、焼結助剤を含まないサイアロンの高温酸化特性については報告例が少ない状況です。そこで、山内先生らは、焼結助剤なしでSPSによりサイアロンを作製し、大気および水蒸気含有雰囲気におけるβ-サイアロンの酸化挙動や酸化皮膜の性状について研究されています。講演では、特に酸化挙動に及ぼすz値の影響について報告して頂きました。参加者は11名であり、総理工木村好里先生なども参加され、予定時間をかなりオーバーしてしまいました。講演者山内啓先生、出席者の皆様に感謝いたします。
世話人:細田秀樹(先端材料部門・教授)