トップ > 最新情報 > 【NEW】第62回精研シンポジウムが開催されました。(2010年12月2日)
イノベーション研究推進体Green ICE(Information, Communication and Energy)Initiative(リーダー・益一哉教授)は,2010年12月2日,東工大大岡山キャンパスの蔵前会館で「第62回精密工学研究所シンポジウム-Green ICE Initiativeの展開-」を開催しました。
近い将来の高度情報・エネルギー社会の「あるべき姿」を想定し,その実現に貢献できる研究推進のためのオープンイノベーション型産学連携プラットフォームを構築するのが狙い。今回のシンポジウムは,Green ICE Initiative活動のコア技術としてのセンサネットワークを支える異種機能集積システム(SoC)にスポットを当て,今後の研究開発の進め方,研究・モノつくりHub機能,企業・各大学での研究開発の現状について,連携企業・連携教員も交え意見交換および議論を行いました。
午前は,リーダーの益一哉教授(東京工業大学ソリューション研究機構)が「グリーン・イノベーションの推進の為の拠点整備(ICE Cube Center)と「モノつくり」の構築」を説明。続いてプロジェクトメンバーの町田克之連携教授(東京工業大学大学院総合理工学研究科)が,「異種機能集積システムを支える『モノつくり』研究」というテーマで「異種機能集積化デバイスの構築に向けて」を報告し,有本和民氏(ルネサスエレクトロニクス)が「オープンイノベーション時代のSoCと異種機能集積化」を,岩渕 敦氏(富士通株式会社)が「統合設計環境」の現状と可能性等,それぞれの研究内容について報告を行いました。
午後の部では,Outcome research への期待(センサ制御システムによる社会課題の解決)という統一テーマで野村 聡氏(株式会社堀場製作所)が,「異種機能集積化への期待:半導体pHセンサによる生体情報モニタリング」を講演。それに続く異種機能集積システムを支える「グリーン技術」研究のテーマで,年吉 洋教授(東京大学先端科学技術研究センター)が,「異種機能集積化デバイスにおけるMEMS設計・製作技術のグループ内標準化」を,澤田和明教授(豊橋技術科学大学電気・電子情報工学系)が,「MEMS・センサデバイスとLSI融合が目指すもの」を,松澤 昭教授(東京工業大学大学院理工学研究科)が,「低電力アナログ・RF回路技術:戦略と実践」を、それぞれテーマにして講演しました。
シンポジウムには,コンピュータ,半導体,ナノエレクトロニクス関連をはじめとする幅広い分野の企業や関連機関の経営戦略部門,企画部門,特許部門,技術部門から63名が参加しました。今後は,これらの企業との連携を出発点に,「大学がビジョンと技術課題を提案し,産業界と密接に連携して,その課題実現を目指す」というフレームワークを更に発展させることで課題領域を絞り込み,産学連携研究を強力に推進します。
Green ICE Initiativeプロジェクトでは,高度情報化社会の進展でエネルギーネットワークが劇的に変貌し,情報・エネルギーネットワーククラウドが出現しつつある中で,社会・産業の持続的な発展を維持するにはエネルギー消費を極小に抑え,安心安全で持続可能な高度情報・エネルギー社会の構築を急ぐ必要があるとのビジョンを掲げています。
今後クラウドにはいたるところにエレクトロニクス・光技術が組み込まれ,またその末端にはセンサネットワークが張り巡らされ,そこから多種多様大量な情報が引き出され,社会・生活に変革がもたらされる。さらに,この情報化の力を得てエネルギーネットワークも高度かつスマートに変貌していく。この様な世界で半導体集積回路はいっそう重要な役割を担ってゆくものと考えられ,異種機能集積システムをテーマとするこのシンポジウムの開催は非常に意義のあるものでありました。
シンポジウムのプログラム等は下記をご参照下さい。
http://www.ssr.titech.ac.jp/event/detail.php?id=2