トップ > 最新情報 > 「理工系女性研究者プロモーションプログラム」による講演会〔精研談話会〕を開催しました。(2009年2月6日)
精密工学研究所談話会とメカノマイクロ工学専攻の共同企画によるジョイントセミナー「理工系女性研究者の教育研究環境を考える」を男女共同参画推進センターの共催で,下記のように開催いたしました。
記
ジョイントセミナー「理工系女性研究者の教育研究環境を考える」
日時 : 平成21年2月6日(金曜日) 15:00~18:00
場所 : 東京工業大学すずかけ台キャンパス 大学院5号館(G5棟)9階 909号室
*音と材料と研究の話 15:00~16:00
荒木 稚子氏 埼玉大学・大学院理工学研究科 准教授
*技官から研究者への道のり 16:00~17:00
森 きよみ氏(元精研技官) 拓殖大学・工学部 助教
講演は質疑応答を含めて16時から17時まで行い,生い立ちから今日に至るまでの経歴と,育児との両立,主な研究について紹介がありました。また,18時からは荒木雅子講師も交えて懇談を行って女性参画のあり方について議論を深めました。
森氏には以下のように講演頂きました。
中学から理科,技術にあこがれていました。家庭の事情から大学夜間部(短大)に進み,航空宇宙技術研究所でアルバイト仕事をしつつ卒業して,東工大の技官になりました。当初の仕事は事務仕事。その後技術的な仕事をこなしました。拓殖大工学部新設に際して移動し,研究を邁進させて学位を取得しました。学位取得前には結婚,出産をしましたが,学内でも教員の出産が初めてのことであり,周囲にもとまどいがありました。産休明けが出産後2ヶ月であり,乳児を保育所にあずけて勤務をこなしました。日々,育児と職務の意識の切替えをしなければならず,子供が小学生になっても苦労が絶えませんでしたが,近所に同じ学年の子供を持つ家庭があり,いろいろ助けられたことも多くありました。
教育や研究においては,機械系の女性が少なかったなかで,教授の理解を得て,行えました。その中での体験として,国際会議での体験として「日本では女性は意見を言えるのか?」といったエピソードもあり,社会的な理解も不十分であったことなどの紹介がありました。
研究においては,接着継手の強度,セラミックの高温弾性率,耐熱接着技術。そして近年では保育施設支援のためのIT関連技術開発についての紹介がありました。
世話人:精研 北條春夫
メカノマイクロ工学専攻 小俣 透