トップ > 最新情報 > 精研談話会が開催されました。(2008年6月2日)
下記のとおり精研談話会を開催しました。
日時:6月2日(月) 16:00-17:00
場所:R2棟 6F 大会議室
講師:京極 秀樹 近畿大学工学部教授
タイトル:「粉末冶金による形状記憶合金の開発」
<講演内容>
形状記憶合金,特にTi-Ni系合金はその優れた形状記憶効果を活かして締結継手,ばね,アクチュエータなど産業機械分野の機能素子をはじめとして,医療分野,エネルギー分野などの種々の機能素子として幅広く利用されています。しかし,溶解-加工法により作製された線材の利用がほとんどで,製造工程が大掛かりとなり,素子に形状を付与することが難しいなどの問題があります。これらを解決する作製加工法として粉末冶金法の利用があります。しかし,チタン系合金では酸素など不純物の影響が強く,これまで十分な特性を有する形状記憶合金を粉末冶金法で作製することが大変困難でした。講師の京極先生は,この問題に長年取り組み,粉末冶金法を用いながら良好な特性を持つ形状記憶合金の作製に成功しております。本講演では,パルス通電焼結法や金属粉末射出成形法などの粉末冶金法を駆使したTi-Ni系形状記憶合金の開発状況および今後の展開についてご紹介を頂きました。参加者は17名であり,活発な討論がなされ,盛会でした。講師の京極先生ならびに関係の皆様に御礼申し上げます。
文責:細田秀樹 (先端材料部門・准教授)