トップ > 最新情報 > 第55回精研シンポジウム(兼)統合研究院ワークショップが開催されました。(2008年5月22日)
第55回東京工業大学精密工学研究所シンポジウム(兼)統合研究院ワークショップ
2008年5月22日(木),すずかけ台キャンパス R2棟6階大会議室において,第55回精密工学研究所シンポジウム「次世代インターコネクト技術」~電子・光融合によるグリーンネットワークシステムの実現~を開催しました。同シンポジウムには,コンピュータ・半導体・ナノエレクトロニクス関連の企業の技術者,研究者をはじめとし,学内外の関連機関から約40名の参加者を集めました。このシンポジウムは本研究所と統合研究院ソリューション研究機構の共催で企画開催いたしました。
プログラム 総合司会 益一哉教授/松澤 昭教授
(1)開会挨拶 13:30
上羽貞行氏(東京工業大学統合研究院ソリューション研究機構長)
(2)次世代ハイエンドシステムに求められるインターコネクト技術 13:40-14:15
加納 健氏(日本電気(株) システムプラットフォーム研究所)
(3)オンチップ光配線技術 14:15-14:45
大橋 啓之氏(半導体先端テクノロジーズ技術戦略室 NSIプロジェクト)
(4)オンチップ高速信号伝送技術 14:45-15:15
益 一哉教授(東京工業大学統合研究院ソリューション研究機構)
<休憩> 15:15-15:30
(5)三次元集積化ワイヤレス配線 15:30-16:00
吉川 公麿氏(広島大学ナノデバイス・バイオ融合科学研究所)
(6)チップ内光インターコネクション用半導体レーザの現状 16:00-16:30
荒井 滋久教授(東京工業大学量子ナノエレクトロニクス研究センター)
(7)光パケットスウィッチ用光信号処理技術と光インターコネクトへの期待 16:30-17:00
植之原裕行准教授(東京工業大学精密工学研究所)
(8)パネル討論 17:00-18:00 パネル司会 益 一哉教授
ポジショントーク:“超高速信号伝送と東工大の在り方”~総務省ミリ波プロジェクトをたたき台にして~
松澤 昭教授(東京工業大学大学院理工学研究科)
(9)閉 会 18:00
(10)懇親会 18:15-19:45 会場:J2棟20階 研究交流室(2001号室)
情報処理網や関連機器の進歩は高度情報化社会における情報爆発を引き起こし,そのエネルギー消費量は無視できなくなってきました。そのため,昨今Green IT/Green Networkと称して単に機器の低消費電力化と云う切り口ではなく,エネルギー問題・温暖化問題解決をも視野にいれた長期的ビジョン(目標)をもった技術開発やプロジェクトの重要性が高まってきました。まずは,ハードウエアの立場から,あらゆるシステムの機能要素間を接続する技術が根幹であるとの視点から,これを“インターコネクト技術”と捉え,学内外の専門家の方にお集まりいただき,現状の課題,将来の方向性について議論することを目的として本シンポジウムを開催しました。第一回目ということもあり,ネットワークシステムの中でも,情報処理と情報伝送で中心的役割を担っているサーバとルーター内のインターコネクトについての課題を取り上げました。一方で最新半導体光制御技術(シリコンフォトニクス),半導体レーザー技術,チップ内高速信号電送技術,三次元立体構造の集積体におけるワイヤレス信号伝送技術にフォーカスしました。パネル討論では,松澤教授により,“超高速信号電送と東工大の在り方”という題で,電気,電波,光の役割分担の現状整理とそれぞれがシームレスに繋がることの重要性が指摘され,あわせて本学で進めているミリ波プロジェクトでは,それぞれの専門分野の教授が連携し『知』もシームレスに繋がっているとの好例が紹介されました。今後,本学において,研究室単位の活動から複数の専門領域からなる研究クラスターを形成し,東工大のプレゼンスを高めることの重要性が強調され,技術的なインターコネクトのみならず研究活動のインターコネクトの重要性も認識された有意義なシンポジウムでした。
一回だけのシンポジウムとせず,また“電子・光”にとらわれず,グリーンネットワークシステムへの展開を見据,、さらにグローバルからマクロ・ナノ領域における技術/ビジネス課題整理とプロジェクト提案・推進のための活動を学内外の方のお力を借りて進めて参りたいと思っております。 文責:益 一哉・菅沼隆史(統合研究院)