トップ > 最新情報 > 精研談話会が開催されました。(2008年3月14日)
下記の通り精研談話会が開催されました。
日時:2008年3月14日 (金)15:00~16:00
場所:R2棟6F 大会議室
講師:宮崎修一 (筑波大学 数理物質科学研究科 教授)
講演:Ti-Ni系およびTi系形状記憶・超弾性合金の開発と応用
講演内容:
Ti-Ni合金は1963年に米国で発見され,暗中模索時代を経て1982年に講演者宮崎先生らにより実用特性が開発された合金です。それ以来,多くの製品が市場に現れ,工業分野での多くの応用の他に,歯列矯正ワイヤ,医療ガイドワイヤ,眼鏡,ステント等の医療分野への応用の拡大も甚だしく,現在の市場規模は年間6000億円とも見積もられ,年々増加傾向にあります。本講演では,このようなTi-Niの開発の歴史や基本特性から,MEMSや薄膜,高温形状記憶,生体用といった最新の研究まで紹介していただきました。特に形状記憶合金の医療分野への応用の促進のために,先生らは,アレルギー元素であるNiを除いた新Ti系形状記憶・超弾性合金の開発も行っており,これをきっかけとして2001年からTi系形状記憶・超弾性合金の開発が我が国の研究者を中心に本格的に始まっています。本講演では,これらTi-Ni系およびTi系形状記憶・超弾性合金の開発と応用の歴史を総括して紹介して頂き,また,Ti-Ni-Nb合金,Ti-Zr-Nb合金やゴムメタルなどの合金開発・研究の成果についてもご紹介いただきました。参加者は17名であり,横田所長や下河辺名誉教授・前副学長にもご出席頂き,活発な会となりました。
文責・世話人:細田秀樹(先端材料部門・准教授)