トップ > 最新情報 > 静粛工学セミナー(通算第42回)が開催されました.(2006年3月2日)
静粛工学セミナー(通算第42回)を平成18年3月2日(木)に本学すずかけホール内集会室1で開催し,学内外約40人の参加者のもと,下記最新のトピックについて話題提供と活発な議論が行われました.
本セミナー開催にあたり,ご支援いただきました関係各位に感謝いたします.
(1)「ファン騒音低減の課題と低騒音化事例について」
山田 彰二 氏(三菱電機)
ファン騒音は身近な空力騒音の代表例であり,静粛な居住空間の創造に欠かせない課題としてその低減が望まれている.ファンの低騒音化は1970年代の基礎的研究をもとに1980年代以降,家電機器の低騒音化ブームにのって取り組まれてきた.さらに,1990年代後半からは京都議定書の採択を契機に地球温暖化防止の具体的行動指針である消費電力の削減に向けた省エネ製品の開発が強力に進められており,ファン効率の向上検討も重要性を増している.ファン騒音発生機構の概略および低減課題と低騒音化事例を紹介する.
(2)「自動車技術会での音質評価改善研究の動向」
石濱 正男 氏(神奈川工科大学)
自動車技術会では、1990年代の後半に「2005年の自動車振動騒音技術」という研究戦略の土台となる調査を行い、その中で提案された「音質評価技術」の委員会を設けて2001年から活動を行ってきた。活動内容は、
1)音質評価のための機器、実験方法、データ処理方法などの標準化
2)音響データベースの収集
3)心理音響実験結果のデータベース構築
4)国際協力
である。現在は次の三つのワーキンググループ活動を展開中。
1)ディーゼル音質、2)生体計測、3)評価から設計へ。
(3)「エンジンにおける燃焼騒音の解析」 小嶋 直哉 氏(山口大学)
エンジン本体から放射される騒音については、振動・騒音の発生部位や要因により、それぞれ対応した研究がなされてきている。ここでは、燃焼衝撃に対するエンジン構造の騒音放射特性の解析という観点から、これまで試みてきた内容について紹介する。
(文責:松村茂樹)