トップ > 最新情報 > P&Iフォーラムが開催されました.(2005年4月20日)
下記の内容でP&Iフォーラム開催されました.
日時:2005年4月20日(水)15:00~17:30
会場:精密工学研究所6階会議室
話題提供:1)秦誠一氏(精機デバイス部門助手)
「薄膜金属ガラスのアークコンビによる創成とその応用」
従来,新材料の創成とその加工法開発,産業応用展開(実用化)は,膨大なコストと長い開発期間が必要ということが常識とされてきた.しかし,時代は新材料の実用化に対する「高速化」を要求している.筆者らは,新しいMEMS・精密微細構造用材料としての薄膜金属ガラスの,過冷却液体域を利用した三次元微細加工法と,新しいマイクロアクチュエータ,MEMS,超精密金型などへの応用を研究している.本フォーラムでは,これら従来の研究の紹介と,そこから生まれた薄膜金属ガラスの新規組成探索,用途別の組成最適化の強力なツールとしての,新しいコンビナトリアルマテリアル技術(アークコンビ)の紹介,さらにその将来構想についての報告があった。
2)吉住夏輝氏(極微デバイス部門、博士課程3年)
「手持ちマイクロホンによる音場可視化システム」”A sound field visualization system using a virtual array created by a handheld scanning microphoneで,手で自由に動かされたマイクロホンによって得られた音場情報を利用して,遠方・広範囲の音場を可視化する手法の提案と検討結果について報告がなされた。チェコで行われた国際会議終了後に,ベルギー王国,ゲント大学を訪問して,Oswald Leroy博士,Nico F. Declercq氏らから,ホプキンソン棒法など,超音波検査技術に関する研究の説明を受けた事の報告があった。著名な各氏との意見交換を行って,音響工学に関する知見を広めることができたとの報告がなされた。
3)日中問題討論会(パネラー:知能化工学部門 張暁林助教授、 高機能化システム部門:香川利春教授、蔡茂林助手)
3月からの数週間、中国各地で半日デモが行われ、日中関係が悪化している。この状況で、日本大使館に投石が行われた。急に発生したこれらの半日運動に対し、多くの留学生が在籍している東工大精密工学研究所では、本フォ―ラムにおいても、この問題を取り上げ、日中の理解と相互親善を図るために討論会が行われた。この討論会は4時から行われたが、6階の会議室はほぼ満席となった。大変に有意義なフォーラムとなった。
精研フォーラム担当 香川利春