トップ > 最新情報 > 静粛工学セミナーが開催されました.(2004年10月5日)
静粛工学セミナー(通算第38回)を平成16年10月5日(火)に本学すずかけホール内で開催し,学内外約40人の参加者のもと,今回は「環境」,「快適音」,「音質」に関する最新のトピックについて話題提供と活発な議論が行われました. 本セミナー開催にあたり,ご支援いただきました関係各位に感謝いたします.
(1)「架空送電線路から発生する風騒音と低減化技術について」
窪川 弘 氏(ジェイ・パワーシステムズ)
架空送電線は昭和47年頃からの超高圧化、大容量化と市街地への接近に伴い、強風時に送電設備から発生する風騒音が問題となってきた。そこで、それらの要因として,電線周りの流れの,電線の地上高,碍子の共鳴,鉄塔自体の問題等をあげて電気的な特性との協調面も含めた対策の実際と成果について説明された.
(2)「流体機械の快適音化に関する試み」 御法川 学 氏(法政大学)
身近な流体機械の静音化要求に対して,単に騒音レベルを下げることよりも、耳障りでない音質にすることの重要性を指摘して,音質評価手法を用いながら,小型ファンやポンプについての音の改善事例が紹介された.また,同じ流体音でありながら心地よい音とされる自然水流の音と流体機械の音を比較し、快適音化の糸口を見出そうとした試行について紹介された.
(3)「能動消音による音質改善」 穂坂 倫佳 氏(東芝)
機械騒音では,周波数スペクトル上に離散的なピーク音が存在する事がある.このとき、全体的にレベルを下げても、聴感上はピーク音に対してまだ耳障りだと感じることがある。この特性から,離散的なピーク音のみを能動消音技術を用いて発生元から低減する手法を提案して音質改善ができた事例が紹介された.
(4)技術懇談会
文責:松村 茂樹