トップ > 最新情報 > 【NEW】精研談話会を開催しました。(2012年5月19日)
下記の通り、精研談話会を開催いたしました。
日時:平成24年5月19日 13:30~15:00(和田先生), 15:10~16:00(高松先生)
場所:すずかけ台キャンパスR2棟6F大会議室
参加人数:40名
講師:和田俊和(和歌山大学システム工学部教授)
題目:相違性・類似性と画像検索・異常検出
講演内容:
事例ベースのパターン認識,写像学習のための最近傍探索に用いる距離についての考察に関する講演をいただいた。
まず距離の種類によってパターン間の「部分一致」を重視する尺度から「全体的整合性」を重視する尺度まで変化しうることがしめされた。これを応用し,大量のデータ中から検索キーに類似したデータを高速に探索する問題において,検索キーベクトルに劣化(欠落)が含まれる場合にも,正確な探索が行える手法が紹介された。これに付随して,Bag Of Wordsなどで用いるスパースベクトルでの特徴記述が持つ特殊性についても言及された。次に事例に基づく異常検出問題で,広く用いられているSimilarity Based Modellingが,類似度をカーネル関数と同じであるとみなせば,非線形回帰の手法であるGaussian Processと本質的に同じになるということが示され,これに基づく効率的で感度の高い異常検出アルゴリズムが紹介された。
距離の取り方が実用的なアルゴリズム与える影響を実例を示しながら分かりやすく解説していただいた。
講師:高松亮(埼玉大学経済学部准教授)
題目:同じ対象を叙述した話し言葉と書き言葉の獲得手法
講演概要:
話し言葉と書き言葉を自動変換できれば,自然な話し言葉による合成音声を生成したり,会議における発言を書き言葉として自動的に整序し議事録を作成する,といった技術に応用できる可能性がある。変換手法の検討と評価を行なう際には,同じ対象を叙述した話し言葉と書き言葉の実データがあることが望ましいが,そのようなデータを得るための手法が存在しなかっため,これまでの書き言葉と話し言葉を相互に変換するためのアルゴリズムはアドホックなものにならざるを得なかった。
本講演では,同じ対象を叙述した話し言葉と書き言葉の実データを得るための新たな手法が紹介された。この手法は4コマ漫画を被験者に提示し,話し言葉と書き言葉それぞれで各コマの内容を叙述してもらうものである。叙述の複雑さや被験者間の視点の統制などを考えた慎重な叙述対象の選定などが紹介された。講演後には,NIIの研究者からの専門的な質問もあり議論が盛り上がった。
(担当:知能化工学部門 准教授 長谷川晶一)