トップ > 最新情報 > 【NEW】第65回精研シンポジウムを開催しました。(2012年12月5日)
東京工業大学 精密工学研究所 第65回シンポジウム
「知的財産と特許情報処理 -- 自然言語処理による新展開 --」
第65回精研シンポジウムは,2012年12月5日に,大岡山キャンパス蔵前会館ロイアルブルーホールで開催されました。
精密工学研究所には,2001年4月から2003年3月の2年間,財団法人日本特許情報機構(JAPIO)の寄附を受け,特許情報処理(JAPIO)寄附研究部門が設立されました。その後を受け,2003年4月より,知的財産利用支援システム客員研究部門を
本研究所内に設け,引き続き,特許を含む知的財産を対象にした情報処理の理論および技術を総合的に体系化する研究を続けております。今回のシンポジウムは,このような経緯を受け開催したものです。
今回は,知的財産,特に特許の情報処理に焦点を当て,その分野でご活躍の方々にご講演いただくとともに,言語処理的なアプローチを元にした具体的な技術について,客員研究部門の教員を含めた講師陣によるチュートリアル的な講演を企画しました。
知的財産の中でもとりわけ特許は,テキスト情報を中心に構成されており,そのため,言語処理技術は,特許情報処理に関する様々な場面で活躍し,産業上の価値を創出する可能性がある技術として注目されつつあり,また,実際に関係を強化しつつあるといえます。そこで,このシンポジウムでは,特許情報処理技術の全貌が俯瞰できるように,特許業務とそこで利用される特許情報処理技術について概説するとともに,特許情報処理において活躍する個別の言語処理技術について解説して頂くよう,講師陣にお願いしました。
午前中は,辻井潤一先生(マイクロソフトリサーチアジア研究所首席研究員,東京大学名誉教授),杉光一成先生(金沢工業大学知財創造システム専攻教授,知的財産科学研究所 センター長)に基調講演をお願いしました。特許情報処理技術の「現場」での利用の方向性,自然言語処理技術の現状を俯瞰できるようなお話が伺えました。
午後は,「特許実務と情報技術の概要」,「特許検索」,「特許分類」,「特許分析」,「特許翻訳」,「特許文書の解析と生成」というテーマについて,谷川英和先生(東京工業大学 精密工学研究所 知的財産利用支援システム客員研究部門 客員教授,IRD国際特許事務所 所長・弁理士),藤井敦(東京工業大学 大学院情報理工学研究科 准教授),岩山真(東京工業大学 精密工学研究所知的財産利用支援システム客員研究部門 客員教授,日立製作所 主任研究員),難波英嗣(広島市立大学 大学院情報科学研究科 准教授),山本 幹雄 (筑波大学システム情報系 教授),内山 将夫 (情報通信研究機構 ユニバーサルコミュニケーション研究所 主任研究員)にチュートリアル的なご講演をいただきました。
当日は,100名を超える方に参加していただき,大盛況のうちにシンポジウムを終えることができました。この分野に対する関心の高さを物語るものでもあります。なお,シンポジウムの資料をご希望の方は,お問い合わせください。
(文責,精密工学研究所 教授,奥村学)