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国立大学法人東京工業大学「精密工学研究所」は,3学部,6大学院研究科,4附置研究所,種々の研究教育施設ならびにセンター等からなる東京工業大学の附置研究所の一つであり,物理・情報分野における研究を担っている。本研究所では,インフォメーションテクノロジー(IT),ナノテクノロジー(NT),バイオテクノロジー(BT)およびこれらの融合あるいは複合した技術が,社会に大きな影響力を持ち,人類の発展・福祉の向上に大きく貢献するとの予見のもと,1990年代の初めから精密と知能の融合を旗印に研究を推進してきている。この大きな方向性のもとで,附置研究所の役目のひとつである,新領域の開拓を目指す独創的シーズ指向の基盤技術研究と,異分野融合あるいは産学連携を指向するプロジェクト研究をバランスよく進め,この分野でのセンターオブエクセレンスとなるべく機械工学,制御工学,電子工学,情報工学,材料工学の研究者が協力して研究を推進している。
本研究所は,5大研究部門(知能化工学・極微デバイス・精機デバイス・高機能化システム・先端材料),2研究センター(マイクロシステム・セキュアデバイス),2客員部門,ならびに共通施設と事務室で構成されている。5大研究部門は15の研究分野から構成されており,客員部門を含めたそれぞれの専門分野での基盤技術研究活動を進めるとともに,異なる分野の研究者が密接な協力態勢を組むことにより,共同研究やプロジェクト研究を進めている。
本研究所の教員は,先端的研究を基盤として,大学院総合理工学研究科の協力講座を担当し,大学院学生を対象とした学術領域の講義を行うとともに,修士ならびに博士号の学位取得のための研究指導を行っている。共通施設と事務室はこのような研究所の体制を支えている。
これまで,古賀逸策教授(水晶振動子の研究),中田孝教授(歯車および自動制御の研究)という2名の学士院会員を生み出しました。さらに,異なる研究者が共同してシナージ効果を発揮し,数値制御(NC)に関する研究開発で,我国の工作機械やロボットの発展に貢献し,また静粛光学という新しい工学分野を開拓してきました。また近年の主要な業績の一つに,伊賀健一教授(前本学学長・名誉教授)による「面発光レーザ」の発明と実用化があり,光情報通信のキーデバイスとして重要な役割を果たしております。この業績が基となり,「超並列光エレクトロニクス」(代表:伊賀健一教授)が文部科学省の中核的研究拠点(COE)形成プログラムの一つに選ばれました。2000年(平成12年)には,このプログラムの発展として,大容量光通信システム,大容量光メモリや並列情報処理システムのための新しいデバイス及びシステムの開拓をミッションとするマイクロシステム研究センターが設置され,2010年よりはフォトニクス集積システム研究センターと発展的に名称を変え,活発な研究活動を展開しております。また2008年(平成20年)には,人類および社会の安全安心を支援する技術に取り組むセキュアデバイス研究センターが設置され,研究活動を展開しております。